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全般性不安障害(Generalized Anxiety Disorder:GAD)は不安神経症とも呼ばれる、不安が原因として起こる病気です。
うつ病などとは異なり、全般性不安障害には特徴的な症状がありません。 ですがさまざまな要素が絡みその潜在患者は多く、また特徴的な症状がないため、受診もなかなかできない方が多くいらっしゃると思います。
少しでもご相談しやすくなればと、全般性不安障害について、お話をしたいと思います。
どんな病気かなのかということを理解するためには、まず不安とは何か、を考えてみましょう。
不安とは‘対象のない恐怖’と定義されています。気がかりなことがあるままの心の状態や、安心ができないことも、不安ということができるでしょう。
この不安は、そもそも何かしらの危険を感じた時、警告の兆候として現れるものであり、危険から身を守るとためにも、不安は生活していく上で必要なものであることも確かです。
通常の状態であれば、安全が確認・認識されることで、不安は消えていきます。 しかし、この不安が過剰になり、コントロールできないまま苦痛が強くなり、確かな理由がない事柄に対しても不安や心配が起き、それが持続してしまう状態が全般性不安障害です。
患者さまが感じる不安や心配の原因は、ある特定のことに限定されるわけではありません。また、原因が一つであるとも限りません。
家庭、会社、学校、近所づきあいをはじめ、地震などの天災、海外での戦争など、自分に関係するものだけに限らず、あらゆるものが不安を覚える対象になります。
こうして、自分ではどうすることもできない事についても深刻に悩み続けることで、不安や心配をコントロールできず、心はもちろん身体の状態も悪くなり、日常生活に支障をきたすようになってきます。

アメリカで行われた調査によれば、一生の間にGADにかかる方の割合は3~5%。また、不安を専門に診ているクリニックでは、全ての患者さんの30%程度がGADであると診断されており、この数字からみても実際は知られていないものの、かなり多くの患者さまが実際にいる病気であることがわかります。 また女性がかかりやすい傾向があるようです。
基本的には薬物療法と精神療法の二つの治療方法があります。
抗不安薬を用い、不安感や症状と関連のある普段の生活の上での悩みやストレスについて、相談していただきアドバイスをさせていただくといった形で進めていきます。
薬についても依存性の高いものは最小限にとどめていきます。 うつ症状もみられるばあいは抗うつ薬を用いることもあります。 深呼吸や有酸素運動なども有効ですので、ご自身で行える方法も合わせてお話をさせていただきます。
お薬についても、強制的に服用を勧めることはありません。 きちんと相談をし、納得をしていただいたうえで、治療を進めていきます。
全般性不安障害は、日本ではまだあまり知られていません。身体に現れる症状も多様で、一般内科などを受診しても原因がはっきりとはわからず、身体的な病気を疑い様々な科の受診と検査を繰り返されている方も多いと思われます。
全般性不安障害は、うつ病(うつ状態)やパニック障害、社会不安障害を合わせて引き起こしやすく、さらに不安感を紛らわすために飲酒を行うことにアルコール依存症に陥ることもあります。
それらを防ぐためにも、不安感と体調不良が長く続いていると感じたら、是非ご相談ください。
どのくらいが長いと言えるのかわからないと、クリニックへいらっしゃる際に思われることもあるかと思いますが、気にせずご相談いただければと思います。
全般性不安障害の患者さまは、周囲からは心配症であるように見えることがあります。 そのため、初めのうちは不安感や不調の訴えを聞いてあげることができても、同じことを繰り返していると徐々に話を聞くことが面倒になってしまいそうになることがあるかもしれません。
不安や心配にゆっくりと耳を傾け、理解を示すことは患者さまにとって安心感を与えます。 まずはじっくりと話を聞いた上で、これまで元気だった方が、不安と体調不良を訴え続けていると感じた場合は、全般性不安障害を疑って、早期に受診されることをすすめてください。
全般性不安障害は、きちんとした治療を受けることで症状は回復していきます。 もしも思い当たることがありましたら、違うかも、気のせいかもと思っていても、お話をゆっくりと聞かせていただいて診断しますので、まずはご相談ください。
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